事例紹介

土地の明渡しに成功した事例

2017.07.07 / 事例紹介・「一般民事」「遺言相続」

依頼主

Yさん 50代 女性

相談内容

Yさんは、長年音信不通であった父から相続した土地上に住んでいたNさんの代理人弁護士から、ある日突然土地を売却して欲しいとの連絡があり、その際に金額の提示はあったものの、当該金額が妥当であるのか、またかかる提案に対してどのように対応すべきか分からず、ご相談にいらっしゃいました。

解決内容

Yさんから、詳しくお話を伺ったところ、どうやらYさんの父親はNさんと賃貸借契約を締結しており、相続後3年間近くNさんからは何の連絡もなく、賃料も支払われていなかったこと、相手方からの提示額は、固定資産評価額の半額程度であり、極めて低額であることが分かりました。
また、Yさんとしては、土地を売却することは構わないが、出来るだけ高額で売却したいとのことでした。
上記賃貸借契約が有効である場合には、土地の価値は大幅に下落することから、まずは、賃料不払いを理由に賃貸借契約を解除し、その上で本件土地の売買交渉に入るという方針に決まりました。また、解除の前提として未払賃料の請求(催告)を行わざるを得ないが、相手方が賃料を支払ってきた場合には、土地の売却金額は大幅に安くなってしまう可能性があるというリスクも丁寧に説明させていただきました。

結果

その結果、賃貸借契約の解除を行うことができ、土地の時価相当額での交渉をすることができるようになりました。結局、Nさんからは土地を明け渡していただくということになりましたが、その後、別の方に時価相当額で売却することが出来たようです。
後から聞いた話ですが、Yさんは、当職にご相談に来られる前にも複数の弁護士事務所に相談に行ったが、みんな不動産の時価相当額での交渉が出来るという話をするばかりで、解除できないリスク等については何の説明もなかったため、そのことが弁護士を選ぶ決め手になったとのことでした。
今回のケースも踏まえて、当事務所では、今後もご相談者様にとって都合の良いことばかりではなく、リスクについてもしっかりと説明していきたいと思います。

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